ニュース王国

玉木宏が当時23歳で演じたのは"めんたいロック"のギタリスト!陣内孝則の実話を基にした青春映画「ロッカーズ ROCKERS」

2025.4.22(火)

今年の1月に45歳の誕生日を迎えた俳優・玉木宏。40代に入ってからは、両親のかたき討ちのために生きる双子を高橋一生と共に演じた「竜の道 二つの顔の復讐者」(2020年)を始め、映画「ゴールデンカムイ」(2024年)、「十一人の賊軍」(2024年)など、シリアスで重厚な演技にますます磨きがかかり、年齢を重ねたからこその魅力や渋みが深まっている。

そんな玉木が俳優デビューからわずか5年後、23歳の時に出演したのが映画「ロッカーズ ROCKERS」(2003年)だった。

革ジャンにサングラス姿でロックギタリストを演じる玉木宏
革ジャンにサングラス姿でロックギタリストを演じる玉木宏

(C)「ROCKERS」製作委員会

本作は俳優・陣内孝則がボーカルとして在籍するバンド「TH eROCKERS」の実話をもとに、ロックに青春をかける若者たちの姿を描いた青春映画。
アマチュアバンド「ロッカーズ」のボーカル・ジン(中村俊介)は、材木業を営む両親からの反対を押し切ってバンド活動を続けている。しかし、そんな熱い想いに反して、女に惚れっぽいモモちゃん(岡田義徳)、"合法で飛ぶこと"に命をかけるガクちゃん(佐藤隆太)、おしとやかで占いマニアのコーちゃん(塚本高史)から成る腐れ縁4人組の自分たちが奏でるロックンロールに限界を感じていた。そんな状況を打開するため、ジンは「ロッカーズ」に新メンバーを募集することを決意。クセの強い志願者たちの中から選ばれたのが、抜群のギターテクニックを持つタニ(玉木)だった。タニの加入に触発されたロッカーズのメンバーたちは、真剣にプロを目指そうと練習を重ね、遂にプロへの登竜門であるライブへの出演が決まる。しかしその目前に、タニは自身が抱える"ある事情"によって、トラブルに見舞われる...。

■ギタリスト・タニの心の奥に燃える情熱を玉木宏が体現

(C)「ROCKERS」製作委員会

本作で玉木が演じたのは、「ロッカーズ」の新メンバーとして加入するタニ。革ジャンにサングラス、そしてギターを背負って登場する玉木の姿は、いかにも孤高のギタリストという風貌だ。ストーリーの序盤では低いトーンと落ち着いたセリフ回しや表情で、タニはどこかクールで寡黙な男だと印象付けている。

だが、物語が進むにつれて「ロッカーズ」のメンバーとも打ち解け、表情も緩んでいくタニ。「ロッカーズのファンなんです」と声をかけてきた女性が自分ではなくジンのファンだった時の複雑そうな表情や、こっそりサインの練習をしている場面から、タニのお茶目な姿も次第に垣間見えてくる。その表情の1つ1つに、普段はクールに振舞っているタニの中にある等身大の少年っぽさのようなものが見え、タニが"愛すべきキャラクター"へと昇華されている。

(C)「ROCKERS」製作委員会

また、プロへの登竜門となるライブを控え、「ロッカーズ」のメンバーとぶつかり合う場面や、自身の危険も顧みずにライブへ出演しようとする姿からは、タニが音楽、そして「ロッカーズ」にかけている熱い想いがひしひしと感じられる。「ロッカーズはどうなっていくのだろう...」とどんどん映画の世界に引き込まれていくのは、玉木の魂のこもった熱意ある芝居に胸を打たれるからにほかならない。一見クールなタニが、心の中には「ロッカーズ」への確かな情熱があるギタリストだということを、玉木が見事に体現している。中でも、後半でタニがジンに打ち明ける、オーディションの時にタニが抱いていた"ある想い"にはさらに胸を打たれ、2人を繋ぐ、より一層強い絆を感じられる。

アマチュアバンドがプロを目指す道のりを描いた本作。玉木の二面性のある演技はもちろん、中村をはじめ、岡田、佐藤、塚本らの好演によって、シリアスとコメディのバランスが絶妙に仕上がっている作品だ。当時の音楽シーンを感じられる衣装や演出も良い。笑いあり、熱さや切なさもありの中、「ロッカーズ」が辿(たど)った道のりを、ぜひその目で確かめてほしい。

文=HOMINIS編集部

放送情報【スカパー!】

ロッカーズ ROCKERS
放送日時:2025年5月9日(金)21:00~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます