映画初主演の錦戸亮がタイムスリップし、パティシエに弟子入りする侍を演じる!映画「ちょんまげぷりん」
2025.4.10(木)

昨年「侍タイムスリッパー」が話題になったことを覚えている映画ファンの皆さまは多いのはないだろうか。斬新な切り口で観客を魅了した作品だが、考えてみるとタイムスリップ系の作品自体はかなり多いように思う。今回はそんなタイムスリップ系作品から「ちょんまげぷりん」を紹介しよう。
本作は荒木源の小説を原作とし2010年に公開された映画で、錦戸亮の初出演、初主演映画となった。ストーリーはとあるシングルマザー遊佐ひろ子(ともさかりえ)の日常からはじまる。遊佐は働きながら一人息子の友也(鈴木福)を育てているが、家事と仕事を両立することは簡単ではなく時間的にも体力的にも厳しい日々を送っていた。そんな彼女の前に突然、侍が現れる。最初はコスプレの類と思ったひろ子だが、話を聞いてみるとタイムスリップしてきた木島安兵衛という本物の侍だった。帰る方法がない木島は遊佐家で居候する代わりに家事全般を担当することになり、友也とも絆を深めていく。そこで木島はお菓子作りにハマり、ひょんなことから手作りケーキコンテストに出場することに。ここから家族と1人の侍の物語は思わぬ展開をみせていく。
監督を務めた中村義洋は人間ドラマをコミカルに描くことで定評があるが、本作もシリアスな中にクスリと笑いを忘れない温かな作品となった。主演を務めた錦戸は侍すぎない侍で厳格に江戸時代の侍を守っているというよりも時代に臨機応変に対応する現代人的一面を併せ持つ芝居をしており、1時間40分前後で話が進む本作の中では適格で見やすい芝居といえるだろう。

注目ポイントはやはり出会いと別れ。劇中では何故、ひろ子がシングルマザーになったのか、友也は父がいないことをどう感じているのかといった深掘りできるシリアスな話題を敢えて説明せずに話が進んでいく。しかし、ひろ子とパティシエに弟子入りした木島が衝突するシーン等の父性が関係するシーンではその背景を感じざるを得ない。その空気感を作り上げたともさかと錦戸の芝居は見所だ。恐らく2人はしっかりとバックグラウンドをそれぞれ作っているのだろう。過去を気にする女と察する男。観客が感動できる理由は役者の役への作りこみも一つの要因だ。
また、ケーキコンテストのシーンも見所だ。ここではとあるアクシデントから木島が大声を出すシーンがある。実はここまでの錦戸の芝居はどちらかというと控えめな芝居で、大きなエネルギーで存在感を出している感じではなかった。しかし、このシーンでは芯のある太い声でしっかりと相手に伝える芝居を披露。そのギャップが私には良い場面構築に一役買っているように見えた。
侍というトピックは日本の映画業界から切っても切り離せないジャンルだ。だからこそ、様々なアプローチで作られてきた。本作も錦戸のコテコテではない侍が魅力となっている。本格的な時代劇が好きだという方も是非、切り口の一つとして食わず嫌いせず本作もご覧になってはいかがだろうか。
文=田中諒
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