刑事と連続殺人犯、対照的な役を演じる吉田鋼太郎と賀来賢人の鬼気迫る演技に圧倒
2023.3.13(月)
偶然にも同じような時期に余命宣告を告げられた刑事と連続殺人犯。2人が文字通り、生命を賭けた攻防戦を繰り広げる追走劇が「ドラマSP 死命 ~刑事のタイムリミット~」だ。
ベテラン刑事・蒼井凌役を吉田鋼太郎が好演し、デイトレーダーでありながら裏の顔を持つ男・榊信一を賀来賢人が演じている。吉田と賀来といえば大ヒットドラマ「今日から俺は!!」で親子を演じたのが印象的なコンビ。しかし、本作で賀来は「今日から俺は!!」の三橋とは真逆とも言えるサイコキラーな顔を見せる役にチャレンジ。一方で吉田は、仕事一筋で生きてきた刑事を演じ、余命宣告を受けながらも残された日々を全うしようとする男の覚悟が伺える、壮絶な演技を見せる。当時、賀来は本作について、コミカルな役とのギャップの大きさに「精神的なダメージの大きい役」とコメント。吉田は別人格になっている賀来を絶賛していた。「追う立場」と「追われる立場」の後がない2人だからこその「ギリギリ感」が胸に刺さってくる見応えたっぷりのサスペンス作品に仕上がっている。
■賀来が演じる殺人犯の冷酷な笑みに思わず背筋が凍る
デイトレーダーとして社会的に成功している榊(賀来)は、ペントハウスに住み、幼なじみで元恋人の澄乃(蓮佛美沙子)とも再会して、セレブで充実した生活を送っていた。しかし、余命宣告をされたことで、榊の中に眠っていた「負の衝動」が目覚めてしまう。そんな榊が刑事である蒼井(吉田)と初めて出会うのは病院の中。癌の再発を告げられてショックを受けている蒼井が刑事だとは知らない榊は、弱っている中年男を見て嘲笑いながらも、穏やかに表情で「落ち着きますよ」と蒼井に水を差し出す。
記憶が途切れているほど追い込まれていた少年時代のフラッシュバックに怯え、澄乃に心配される一方で、殺人衝動を抑えられず、ゆきずりの派手で男慣れしている女性たちを次々と手にかける榊。冷酷な視線に狂気の笑み、錯乱する精神。放送当時、賀来の身も凍るような視線に、驚きを隠せない声が相次いだ。
■執念で犯人を追う刑事を吉田が深みのある演技で魅せる
癖は強いが刑事としての執念と嗅覚を評価されている蒼井は、天然気味の新米刑事・矢部(中尾明慶)とバディを組み、「殺人犯には聴覚障害がある」という情報を頼りに聞き込み捜査を重ねていく。ドクターストップが出ているにも関わらず、痛みに何度も倒れながら、犯人の動機に迫っていく刑事の生き様を迫真の演技で体現している。
そんな蒼井が父親の顔に変わるのは娘と過ごすひととき。親子で観覧車に乗り、これまで反対していた娘の夢に向き合うシーンで見せる吉田の憂いを帯びた表情は、何とも切なく味がある。
蒼井と榊が互いにフラフラになりながら格闘するシーンや、榊の深層心理に巧みに斬り込んでいく場面では、鬼気迫る2人の演技に息を呑む。人生の終わりを目前にした男たちが辿り着く場所とは。その最後を見届けてほしい。
文=山本弘子
放送情報
ドラマSP 死命 ~刑事のタイムリミット~
放送日時:2023年3月31日(金)10:30~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
-

市原隼人、『おいしい給食』で得た俳優としての糧 青森・岩手ロケで体感した"食を共有する価値"
提供元:HOMINIS11/4(火) -

綾瀬はるかと上白石萌歌が魅せる、タイプの違うキャラクターの"不変と進化" 「義母と娘のブルース 2020年謹賀新年スペシャル」
提供元:HOMINIS11/3(月) -

観月ありさのコメディエンヌとしての才能が爆発!松下由樹との漫才コンビのようなやりとりも可愛らしい「ナースのお仕事2」
提供元:HOMINIS11/2(日) -

榮倉奈々と安田顕がハートウォーミングに紡ぎ出した、夫婦の在り方を巡る物語!「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」
提供元:HOMINIS10/31(金) -

松たか子と黒木華が昭和初期を舞台に描き出す、切ないロマンス!山田洋次監督作「小さいおうち」
提供元:HOMINIS10/31(金)

