織田裕二の殺陣のダイナミックさに驚愕の作品「椿三十郎」(2007)
2025.1.27(月)
■黒澤明のあの作品を織田裕二主演でリメイク製作
映画では過去の作品を受けて、リメイク版が製作されることがある。その形態は様々で完全に脚本が同じこともあれば、過去作の印象的なシーンのみをそのままに大幅にカットやストーリーが改変されることがある。今回はそんな過去作品のリメイク版、「椿三十郎」を紹介しよう。
「椿三十郎」は2007年に公開された映画で、黒澤明が製作した1962年の映画「椿三十郎」のリメイクという形で製作された。特徴的なのは前作の脚本をそのまま使用したことで、一切の加筆訂正を行わずに撮影された。ただし、監督の森田芳光の意向によりカットや演出は原作と違う点がみられ、上映時間も黒澤版より20分長くなった。
(C)2007「椿三十郎」製作委員会
主演を務めたのは織田裕二。「踊る大捜査線」では圧倒的存在感を発揮した織田が抜擢。椿三十郎というタイトルになっている主人公を存分に務めた。他キャストも豪華だ。また、椿三十郎に付き従う若侍役はオーディションで選抜されたらしいがその中には、令和の今ではスターの松山ケンイチや鈴木亮平といった俳優の若き日の姿が見受けられる。
■過去作があることの難しさと良さ 織田裕二流「椿三十郎」
(C)2007「椿三十郎」製作委員会
黒澤版の「椿三十郎」はとにかくインパクトが強い。映画好きなら尚更だろう。主演の三船敏郎のスター性や演出の血しぶき、殺陣の多さ...とにかく現代まで伝わる名画だ。その中でリメイク版の主演をはることは容易ではない。
では織田の椿三十郎はどうだったか。作品内では三船敏郎の芝居をみてそれを生かそうとしている姿も見受けられるが、織田流のワイルドさを感じることができる。それは敵方に捕まっている時の大胆不敵な笑みや終わり際の表情といった細かい部分で感じられるもので、表情があまりクローズアップされない殺陣では見られないため、鑑賞する際には会話劇の中の織田の表情に注目だ。
殺陣のシーンも見どころだろう。10数年ぶりの時代劇出演となった織田だが身体はよく動いているようにみえる。椿三十郎はとにかく強く、作中で圧倒的だ。特に30人を斬り倒す殺陣のシーンは最大の見せ場。私は殺陣や当時の時代の専門家ではないため、刀の扱い方や体捌きが理にかなったものなのかはわからない。ただ、織田が演じる椿三十郎としては豪快さや豪胆さを感じる思い切りのよい剣さばきのように感じられ、強い椿三十郎の中に織田らしさの色が出ている殺陣のように感じた。
今なお、前線で活躍する織田裕二。その芝居を堪能する作品として是非一度、「椿三十郎」を観てみてはいかがだろうか。
文=田中諒
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